館長の部屋(ブログ) 2022

11月6日 ~ アーティチョーク ~
アーティチョーク  気がついたら、もう11月。
 うかうかしていると、年賀状、お節料理の予約が締切になりそう。
 マンションにすんでいると暖かい。
 鉢植えのレモンに肥料をやったら、急に花が咲いて、実がなりそう。
 花のカタログを見て、アーティチョークの苗を注文したら、品種改良して、すっかり野菜になっているのか、
 棘のない、柔らかい優しそうな植物を送ってきた。
 来年これに、蝶が来るといいのだが。



6月26日 ~ 昆虫館のアカタテハ ~
アカタテハ  6月16日、昆虫館に来てみると、建物脇の狭い空き地に植えてあるランタナに、アカタテハが来ていた。
 この辺りでアカタテハは珍しい。もう四、五年も前、ブッドレアの花に来ていたのを見ただけである。
 そのブッドレアもその後の台風で枯れてしまって、以後、訪花、吸蜜する蝶の数は減ってしまった。
 さて、ランタナに止まっているそのアカタテハをよく見ると、右後翅の殆どの部分が欠けているではないか。
 鳥にでも啄まれたのか。
 ちょうど私は、蝶の翅というものは、どれくらいまで欠けても飛べるのか、考えていたから、その資料に、写真を撮っておこうと思ったが、スマホ片手に近づいたら、さっと逃げられてしまった。
 飛び方は敏捷で、飛ぶためには何の支障もない感じである。
 ところが二日後にも、その個体がランタナに来たのである。
 18日は、ファーブル会の総会の日であったから、よく覚えている。
 今度は首尾よく写真が撮れた。飛び方は、少し緩やかな感じがした。翅の欠損の影響があるのかどうか。
 そして、6月20日にもそのアカタテハはランタナに来た。これだけ特徴があると、間違えようがない。
 観察とも言えない観察は、これだけである。
 あえて結論を言えば、あれだけの欠損も、アカタテハの飛翔には、ほとんど影響が見られなかったようであった。
5月1日 ~ アゲハの季節 ~
カラスアゲハ  今日は、アゲハが目立つ。
 池之端の自宅から、千駄木の昆虫館に来るまでの十数分の間に、飛んでいるのを3頭目撃した。
 不忍通り沿いの住宅街である。
 やっぱり、モンシロチョウとは違って、アゲハは、飛び方が力強く、速い。
 一週間ほど前には、昆虫館で、カラスアゲハの雌を見た。
 青い部分が広く、赤紋も発達して、まるで台湾高山のホッポアゲハのような華やかさだった。
 産卵しようと食草を探しているらしく、迷っているような飛び方だったが、コクサギには興味を示さない。
 カラスザンショウはずっと上の方に葉を広げているのに、背が高すぎてか、気がつかないような気配だった。
 採って標本にしようか、とも思ったが、増えてくれたらと思って、しばらく眺めて、まだ早くて誰も来ていない館内に入った。

1月23日 ~ 毒蝶 ~
スジグロカバマダラ  昆虫館三階の、黒板の前の机に、展翅板が置いてあるのが見えた。
 「展翅されている蝶は何だろう・・・」
 と、虫屋の本能みたいなもので、ちらと見ると、毒蝶(ヘリコニウス)のようだ。
 実は今、昆虫館収蔵の大量の標本を整理していて、やがては電子登録して、探すものがすぐ出てくるようにしようと頑張っているところである。
 それがちょうど、ブラジルの箱に差し掛かっているので、似たものが全て南米の蝶に見えるのである。
 「おや、珍しい」
 しかし、ブラジル政府が昆虫の輸出に関しては厳しいらしくて、最近南米の虫は入ってこない。
 だから、標本教室でも展翅の見本に、使われることはないはず。
 近寄ってよく見ると、ヘリコニウスではなくて、スジグロカバマダラだった。
 「なるほど、スジグロカバマダラもヘリコニウスも、赤と黒の彩は同じなんだ。何か、毒蝶の基本の型とでもいったものがあるのか」と考えてみた。
 しかも、両者とも、翅の先の方に、白斑がある。
 だから翅を打ち下ろすと、フラッシュの効果は同じで、これら二つの毒蝶の飛ぶ姿は、そっくりに見えるに違いない。
 近年の日本で見られる、これによく似たものは、ツマグロヒョウモンのメスである。
 やっぱり翅の先の方に白斑を持ち、飛んでいるのを見ると、スジグロカバマダラかカバマダラによく似ている。
 ただし、東京などには、モデルの毒蝶の方がいないので、ミミクリーウイドウなどと呼ばれるらしい。


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