特定非営利活動法人 日本アンリ・ファーブル会 ~ 虫の詩人の館 ~
最新の活動
- ヤゴ救出作戦
- 5月29日、柏市立十余二小学校にてプールのヤゴの救出を行いました。
当会の目的と活動
当会の主要目的は次の4つです。
- 「昆虫記」の著者、ジャン=アンリ・ファーブルについて知ってもらうこと
- 人々、とくに子どもたちが虫に親しむきっかけをつくり、育つのを助けること
- 貴重な自然の証人である昆虫標本を保管すること
- 生態系のなかで貴重な役割を果たしている昆虫のやってくる身近な自然を守ること
これらの目的のために主に次の活動をしています。
- ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」の運営
- 昆虫観察・採集会、昆虫標本作製教室などの実施、また継続的育成のための「昆虫塾」の運営
- 虫の棲める環境を守るための緑化や環境整備などの活動と目的を共有する他団体との協働
- 広報活動(ホームページの運営、マスコミ等を通じての情報発信、講演会など)
1.昆虫を通して、都市の生態系を復活させ、ナチュラリストを育成する活動
2014年10月から2017年9月までの3年間、三井物産環境基金の助成を受けて、活動の拡大・充実を図りました。
以下にこの活動の概要をご紹介します。
■活動の内容
- (1) 昆虫によって有機的につながる緑のネットワークを作る
- 屋敷森の残存地で現在文京区の公園となっている「千駄木ふれあいの杜」を拠点に活動しました。
私たちはここの管理活動をしている「千駄木の森を考える会」(文京区の指定管理団体)の会員になり、区やメンバーと協調しつつ、昆虫を中心とした生態系を身近に感じられる場とすることを考えました。
これは区が掲げている「大きな緑や身近な緑をつなぐネットワークをつくっていきます」という構想とつながるものだと考えました。
私たちはまずここの保全活動に協力するとともに、昆虫をはじめとする動物相の観察調査をしました。
さらに、文京区のこの周囲には、緑地が点在しています。これらのネットワークは、鳥と昆虫こそがつなげる原動力になります。
この調査ではそうした外とのつながりも考察しました。また、それらをさらにつなげるために、周囲の小学校にも昆虫を誘引する花壇づくりもしました。
この動物相観察調査の結果は、区の環境政策の参考にしていただくべく、文京区長にご報告しました。 - (2) 「虫の詩人の館」を拠点として、昆虫とそれにまつわる文化に接する機会を提供する (館内活動)
- 昆虫を切り口に昆虫の生態や生態系、生物多様性を学ぶ場を拡充しました。
また、昆虫の博物的学習の基礎「標本作製教室」、昆虫との関わりを継続的に学ぶ「親子昆虫教室」などや、 文化活動、ミニ講演会などを行いました。 - (3) 昆虫を通じて自然と身近に接し、自然を知る野外活動の機会を提供する (野外活動)
- 都立光が丘公園(練馬区)での「昆虫教室と採集観察会」を開催するほか、東京郊外での昆虫採集・観察会を行い、昆虫が生態系のベースであることを学ぶ機会を増やしました。
もちろん自然を傷めないマナー教育もしました。この体験が自分の住む都市のなかに残るミニ生態系を知る目を養うことでしょう。
さらに、昆虫に関わる活動を継続し、深めたい人々の共学の場として、「昆虫塾」の運営も充実させることができました。 - (4) 昆虫を通じて見る自然理解の場を、虫の詩人の館の外にも展開する (出張活動)
- 次のような活動をしました。
- ・小学校や幼稚園での昆虫関係授業の支援、課外の昆虫観察会などへの協力
- ・講演会、ミニ昆虫展などを実施
- ・「大昆虫展」(東京スカイツリータウン)への出展、協力
- (5) 自然の不思議、虫の驚異、ファーブルの精神、虫と親しむ日本文化を伝える
- マスコミ等の取材協力、科学館などの展示協力などをしました。
2.虫たちがすみやすい環境作り
虫たちは、その種類も数も他の動物とはくらべものにならないほど多く、地球の主人公は虫たちであるといっても過言ではありません。そして虫の集る場所にはそれを餌とする鳥など、より大きな動物も集ってき
ます。虫がすみやすい場所は、私たち人間を含む他の動物にとってもすみやすい場所に他なりません。
現在各地で様々な環境保全事業が行われていますが、私たちは単に「緑が増えればそれでいい」というのではなく「生き物がすみやすいかどうか」という視点で自然環境を考え、昆虫の専門知識を生かした方法
論で環境保全活動を行っています。
■近年の主な活動
- 東京都文京区
- 近隣小・中学校の環境再生活動 2008年4月~ 継続中
- 都立光が丘公園
- 昆虫アオシス整備 2010年~ 継続中
- 神奈川県丹沢
- サントリー天然水の森 昆虫調査 2011年~ 継続中
- 東京都文京区千駄木
- 屋敷森(千駄木ふれあいの杜)環境保全・再生活動 東京都文京区千駄木 2014年4月~ 継続中
※最新の活動状況については、活動報告のページをご覧ください
3.各種昆虫イベントへの協力
夏休みには各地で昆虫展などの昆虫イベントが開催されますが、その内容は楽しみながら虫と自然を学べるものから、一過性のレジャー的なものまで様々です。私たちは昆虫のイベントがより充実したものになれ ば、ファーブルの精神の普及につながり、主催者にも来場者にもメリットがあると考え、企画から運営まで、様々な形で昆虫イベントに協力しています。
■近年参加・協力した主な昆虫関連イベント
- 山形県鮭川村
- 「ファーブル保全の森博物館」 開館協力 2011年7月
- 埼玉県越生
- 「虫と自然の館」開館協力 2012年4月
- 東京国立博物館 上野の山文化ゾーンフェスティバル講演会
- 「増山雪斎の虫豸帖(ちゅうちじょう)とファーブルの昆虫記」 講演 2013年11月
- NHK Eテレ
- 「100分 de 名著」 出演 2014年7月
- 東京スカイツリータウン
- 「大昆虫展」監修、出展、協力 2014年~2018年
- 立教大学
- 「アゲハについて (日本のアゲハの近縁種は世界中でフィリピンのベンゲットアゲハのみ)」 講演 2014年7月