『完訳 ファーブル昆虫記 第10巻 下』 (集英社) 発刊

完訳ファーブル昆虫記 第10巻 下  2017年5月26日に最終巻となる二十分冊目が発刊されました!
 刊行開始から12年。博物学の不朽の名著、遂に個人完訳完結!
 80歳を超えたファーブルが、幼年時代や高等中学校(リセ)当時の思い出をつづる、
 全221章のなかでも指折りの感動的なエッセイも掲載。
  ※ファーブル昆虫館でもご購入できます(定価3,800円+税)

館長の部屋(ブログ) 2018

1月27日 ~ 月夜の蛾 ~
蛾類学会総会  日本蛾類学会の総会というのが、東大赤門そばの建物であった。
 そこに呼ばれて、ヨタ話をした。
 内藤丈草という、江戸時代の俳人がいる。松尾芭蕉の弟子である。その人の句に、

  「大原や てふの出て舞う 朧月」

 というのがある。
 てふ(蝶)も朧月も春の季語である。
 大原は京都。そして大原といえば、寂光院と連想がはたらく。
 蝶は平家の御紋でもあり、大原は「平家物語」ゆかりの地でもある。
 平安時代末期、壇ノ浦の戦いに敗れて入水するも幸か不幸か救い上げられた、平清盛の娘、建礼門院徳子がここで余生を送った。
 平家物語には舅の後白河法皇が建礼門院を訪ねてきた様子が描かれている。
 さて、春の夜にあらわれた、この”てふ”とは何か。
 今でも「カイコのチョウ」などという人がいるけれど、彼の時代は蝶と蛾を明確に区別してはいなかったと思われる。
 春霞がかかった朧月夜に飛び出したのは、もしやオオミズアオではなかったか。
 ゆらゆらと幽玄な舞い方をする美しい蛾が、あたかも建礼門院の怨霊のように出てきた・・・
 オオミズアオのことを英語では、”Moon Moth”と称するというのがこの話のオチ。

1月14日 ~ 外来新種 ~
クビアカツヤカミキリ  関西でもクビアカツヤカミキリが発生しているらしい。
 大阪芸大で同僚だった北端信彦先生があちらで採れた標本を送って下さった。
 実は小生、中学生くらいのときに標本写真を見て、憧れたカミキリムシなのである。
 名前の通り頸のところが朱色で、触角の長い大型の虫である。
 食樹はサクラ。ウメやモモも食うという。
 これが東京近辺の川岸の、桜堤の老樹に大発生したら大変なことになるであろう。


 ※編集部註:クビアカツヤカミキリは2018年1月に特定外来生物指定されました


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