『完訳 ファーブル昆虫記 第10巻 下』 (集英社) 発刊

完訳ファーブル昆虫記 第10巻 下  2017年5月26日に最終巻となる二十分冊目が発刊されました!
 刊行開始から12年。博物学の不朽の名著、遂に個人完訳完結!
 80歳を超えたファーブルが、幼年時代や高等中学校(リセ)当時の思い出をつづる、
 全221章のなかでも指折りの感動的なエッセイも掲載。
  ※ファーブル昆虫館でもご購入できます(定価3,800円+税)

館長の部屋(ブログ) 2018

7月14日 ~ 開幕 ~
カブちゃんと  昨日は『大昆虫展』のプレスリリースでスカイツリーへ。
 哀川翔さんとカブトムシゆかりさんと三人、壇上でさらし者になったが結構楽しかった。

 恒例の、中に入れるカブトムシのケージをはじめ、クワガタなどの生きた虫たちも多数。
 標本もなるべくわかりやすく展示したつもり。
 その標本と連動した図録もなんとか間に合った。
 会期中はトークショウや昆虫教室や標本教室も開催される予定。
 ぜひおいでください。

 ところで、タイの洞窟に閉じ込められていた子たちが全員救出されたとのこと。
 遠い異国のことながらほっとした。
7月1日 ~ 梅雨明け ~
夜間採集  梅雨が明けた!カーッと照りつける真夏の太陽。例年より明けるのが一ト月も早いという。
 お米は大丈夫でしょうか。
 昨日、川崎市の生田へ夜間採集に行った仲間の話では、
 あの辺りの環境がずいぶん乾燥している感じだったという。
 おまけに名月。
 夜間採集にいいのは、今にも降り出しそうな、むっと蒸す、月の出ない暗い夜である。
 やはり虫は蒸シ、蒸シしたときに生じる、と『大言海』にも書いてある。
 お後がよろしいようで。

 PS 忘れておりました。
 今年のスカイツリー「大昆虫展」のために図録を発行することになった。
 それで小生の持論である、「虫から始まる文明論」をテーマに、
 カラー全32ページの、奇麗で、面白くて、子供たちがびっくりするようなものを、と、ただ今準備中。
 乞う、ご期待。

5月12日 ~ ファーブル伝 ~
ファーブル伝  集英社のRENZABURO(レンザブロー)というサイトで、
 5月11日からファーブルの伝記の翻訳がアップされています。
 著者はファーブルの弟子のルグロという人で、
 伝記としてもっとも有名なものです。
 現時点では序文~まえがきと第一章までですが、
 順次最終章までアップされていく予定です。
 もちろんタダで読めます。
5月6日 ~ 昆虫展の予告 ~
スカラベ  生きたスカラベ(フンコロガシ)が昆虫館に来た!
 エジプト産のスカラベ・サクレのようである。
 誰でも驚くのは、その動作の速さだ。
 ポニーの糞、ヤギの糞を与えると、たちまちそれを球にして転がしていく。
 ファーブルの「昆虫記」を読んでもこれほど動きが速いとは書いていないように思う。
 これをスカイツリーの昆虫展に展示するつもり。
 スカラベのリアルな生態を目の当たりにした人は少ないと思うので、きっと人気が出るだろうと思う。
 運が良ければ翅を広げて飛び立つ瞬間も見られる。
 横腹のところから翅をさっと出して、ハナムグリ式に、一瞬で飛ぶ。
4月7日 ~ 千駄木の近況 ~
千駄木小  何だか知らないけれど、今また建築ブームのようで、千駄木五丁目界隈にもクレーンが林立している。
 昆虫館の並びの宗教団体の前庭にも、「林ガレーヂ」という有料駐車場にも、斜め向かいの住宅跡にも、
 クレーンが・・・と思う間もなくプレハブらしいモダンな建物が出来ていく。早い、早い。
 それはいいのだけれど、土地が高価なせいか、敷地いっぱいにきっちり建物が建って、
 植物の量は減るばかりである。
 前の更地なぞは、一年あまりのあいだに草が伸び、キク科の帰化植物に花が咲き、
 芙蓉のピンクの花までが見えてきて「いい具合」と思っていたら家が建った。
 千駄木の”駄”は単位で、一頭の馬の背に載せられる量を”一駄”という。
 千駄木は上野寛永寺の薪炭林であったことから、千頭の馬の背で運ぶほどの量の木があるというので、
 かくは名付けられたというが、そのうちに「無駄木」にならないとも限らない。

3月11日 ~ 蛾眉蝉額 ~
ヤママユ  古代中国における、美人の形容の一例。
 孔子様が編纂したと伝えられている、古代歌謡集『詩経』のなかに、若い美人がどんな風に形容されているか、というと、
 額は、蝉の前胸のように秀で、眉は蛾の触角のよう。
 うなじは脂ぎったカミキリムシの幼虫のように、白くふっくらとなめらかで・・・・とある。
 どうやら、虫に対する偏見のようなものはないようで、まことにおおらかな感じがする。
 ただし、二千数百年前の中国の話。
 こういう話を、古今東西から集めて、『虫・文学事典』という本を出そうと、いま準備中。
3月4日 ~ 安心毛布 ~
ライナス  昆虫館に忘れ物が多い。
 もちろん、来館者も多いのだが、暖かくなって、のんびりした気分が関係している様な気がする。
 この間は、子供の「魔法のタオル」の忘れ物。
 お母さんから連絡があって、すぐ取りにくるとの事だったが、
 「なかなか仕事がおわらなくて・・・来週行きます」と、変更があった。
 こっちはいつでもいいのだが、その間、大事な物がないお子さんは眠るとき、吸うものがなくて困ったのでは、と心配になる。
2月18日 ~ 差し入れ三昧 ~
オオゴマダラ  梅田さんが宮古島からオオゴマダラとアサギマダラを採って帰ってきた。
 ファーブル館の吹き流しに入れてやると、元気にしている。
 こういうのにいちいち餌をやるのは面倒だなぁ、と思ったが、吹き流しの上部に
 ティッシュペーパーを敷いて砂糖水を撒いてやると、自分から寄ってきて吸い始めた。
 これなら簡単、何匹でも飼える。
 我々はその横で、ビールと日本酒で反省会。
 今日はボランティアの島田さん(きのちゃんママ)からボルドーシュペリエール、シャトーもののマルジュロ(MARGEROTS)の差し入れがあった。
 さすがに美味い。
 こういうのは、こっそり他人の見ていないところで渡して欲しいとひそかに思った。
 そういえば今日、本郷三丁目でレストランをされていたというご夫婦が、拙著の何かに”美味い沢庵には滅多に出会えない”と書いたのをお読みになって、わざわざ長野の沢庵を差し入れてくださった。
1月27日 ~ 月夜の蛾 ~
蛾類学会総会  日本蛾類学会の総会というのが、東大赤門そばの建物であった。
 そこに呼ばれて、ヨタ話をした。
 内藤丈草という、江戸時代の俳人がいる。松尾芭蕉の弟子である。その人の句に、

  「大原や てふの出て舞う 朧月」

 というのがある。
 てふ(蝶)も朧月も春の季語である。
 大原は京都。そして大原といえば、寂光院と連想がはたらく。
 蝶は平家の御紋でもあり、大原は「平家物語」ゆかりの地でもある。
 平安時代末期、壇ノ浦の戦いに敗れて入水するも幸か不幸か救い上げられた、平清盛の娘、建礼門院徳子がここで余生を送った。
 平家物語には舅の後白河法皇が建礼門院を訪ねてきた様子が描かれている。
 さて、春の夜にあらわれた、この”てふ”とは何か。
 今でも「カイコのチョウ」などという人がいるけれど、彼の時代は蝶と蛾を明確に区別してはいなかったと思われる。
 春霞がかかった朧月夜に飛び出したのは、もしやオオミズアオではなかったか。
 ゆらゆらと幽玄な舞い方をする美しい蛾が、あたかも建礼門院の怨霊のように出てきた・・・
 オオミズアオのことを英語では、”Moon Moth”と称するというのがこの話のオチ。

1月14日 ~ 外来新種 ~
クビアカツヤカミキリ  関西でもクビアカツヤカミキリが発生しているらしい。
 大阪芸大で同僚だった北端信彦先生があちらで採れた標本を送って下さった。
 実は小生、中学生くらいのときに標本写真を見て、憧れたカミキリムシなのである。
 名前の通り頸のところが朱色で、触角の長い大型の虫である。
 食樹はサクラ。ウメやモモも食うという。
 これが東京近辺の川岸の、桜堤の老樹に大発生したら大変なことになるであろう。


 ※編集部註:クビアカツヤカミキリは2018年1月に特定外来生物指定されました


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