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特定非営利活動法人 日本アンリ・ファーブル会 ~ 虫の詩人の館 ~
館長の部屋(ブログ) 2014
- 12月23日 ~ 昆虫食について ~
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これからの全世界規模の人口爆発に対処するには、昆虫食を普及させるしかない、と私は思う。今でも東南アジアなどでは、昆虫食が盛んだが、タガメにしてもゲンゴロウにしてもナンバンダイコクにしても、贅沢食品としてならともかく、大量に捕まえるのが大変で、日常食品にはなりにくい。
従って、昆虫食普及のためには、養殖するのがいいであろう。特に、中東のステップなどで大発生をするサバクトビバッタが有望のように思われる。育つのが早いし、飼料としては、ススキのようなイネ科の雑草で十分のようである。
そもそも、動物性タンパクを得るためには、従来の家畜・家禽の場合、長い飼育期間が必要である。ウシなら数年、ブタなら数ヶ月、トリでも半年はかかる。それに対してバッタなら最短数週間で食べられるようになる。その場合、虫の形が嫌というなら、粉にしてしまえばいいのである。今はインスタント食品製造の技術が発達しているから、フリーズドライなどの技術がある。それに大豆タンパクなどを混合し、繊維質を混ぜ、例えばビーフ味のハンバーグを作ることは難しくはないと思われる。
- 12月21日 ~ インスタント昆虫食? ~
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ヤキソバにゴキブリが入っていた、と新聞に大きな記事が出た。
インスタントのソースヤキソバは旨いもので、昼でも深夜腹の空いた時でも、買っておくと重宝する。
メーカーでは、大量の製品を回収し廃棄したうえ、製造工場も改装するのだそうだ。
来年の三月に出版予定の拙著『虫から始まる風土論』にも書いたが、クッキーやインスタント麺などに虫が入っていたぐらいでこんなに大量の商品を廃棄するのは、日本だけではないか。
アメリカでも、毛の生えたメイガの幼虫がクッキーなどから発見されると、その毛が人の喉に立つというので、工場では大量に棄てるらしいが、ゴキブリの場合はほとんどそういう、喉に毛がささるというような実害がない。
ソースヤキソバでも「エビ入り」というのがあるけれど、生物学的にはエビとゴキブリは、まあ、近い動物である。
要は意識のモンダイで、近い将来、食糧危機が来たら、「昆虫入りソースヤキソバ」が売り出されないとも限らない。 - 12月13日 ~ 十一月二十二日からの柿地獄 ~
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前記事の最後で触れた、千駄木小の柿の木の大木。今年はあたり年らしく、それこそ、枝もたわわに実が生っている。
「誰か取らないんですか」
と聴いたら、毎年ボタボタ落ちる熟柿の掃除に困っている、という。
それで我々の仲間で収穫することにしたら、二日間の重労働の末、軽トラックにいっぱい取れた。
さて、これをどうするか。ご近所に配っても、知り合いのツテを頼って押し付けても減らない。
安達さんが段ボールに入れて親しい八百屋さんに持って行ったら、甘い蜜柑が段ボールいっぱい返って来た。やっぱり減らない。
それで皮を剥いてミキサーにかけることにした。ドロドロのスムージーみたいなやつをショウチュウで割ってみると、なかなかイケます。
これはいいやと、どんどんジュースにして、冷凍することにした。シャーベットもとてもうまい。ライムなんかを搾ってみてもいいかもしれない。
しかし、冷凍庫もたちまちジュースを入れたジップロックで満杯になった。冷凍庫には虫が入っている。虫を少し整理してスペースを作り、また柿の皮を剥く。腐ったものは棄てる。
この作業が二週続いた。もう柿は来年までいい。 - 11月15日 ~ クヌギの剪定 ~
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朝九時に昆虫館に来たら、安達さんと田中博さんがもう来て作業着に着替えていた。ヘルメットを被り、地下足袋を履いてすっかりサマになっている。梅田さんも着いた。
植木屋さんはもう作業にかかる準備ができている。
今日はファーブル館のクヌギの枝払いである。私としてはこのまま放っておきたいのだが、枝葉が落ちると近所の迷惑になる。
木の下に立って通行の人達に「すみません、枝払いをしています」と声をかけ、頭を下げる。
結構たくさん人が通る。胸にカードをぶら下げている団体風の人達が三々五々通る。これから巣鴨の方にまで歩いて行くらしい。合計すると何十人にもなるだろう。
落とした枝葉を軽トラック一杯分、すぐ近くの千駄木小学校まで運んで積み上げ、腐食土にする。去年の分はすでに土に還りふかふかになっている。
ここで発生したハナムグリやカナブンがまた館のクヌギの樹液を吸いに来るという寸法で、この作業はもう五年続いている。
千駄木小に大きな柿の木が二本。今年は当たり年らしく、赤い実が枝もたわわに生っており、熟柿にヒヨドリが来てつついている。
だから甘柿だろうと少し失敬し、昆虫館に持って帰って剥いてみるとそのとおり、うまかった。
四人で動坂食堂に行き、昼食。作業のあとのビールはやはりうまかった。 - 11月9日 ~ ゆかりの・・ ~
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「千駄木ふれあいの杜」、つまり太田道灌ゆかりの庭園の手入れを、我々日本アンリ・ファーブル会の仲間でやっているので、私もときどき手伝う。
といっても伐り落とした枝をノコギリや枝伐り鋏で細かくする程度だが、ヒヨドリの鳴き交わす声を聞きながら手を動かしていてときどき思うのは、西洋の都市、たとえばパリの街中に、こんなに旺盛に植物の繁茂している場所があろうか、ということである。
ロンドンには素晴らしい公園があって、オークやニレの大木がそれこそ亭々とそびえているけれど、芝生が造ってあって手入れが行きとどいていて、密林という感じはしない。パリの公園は樹木が幾何学模様に刈り込まれ、花壇があって・・・と完全に人間の管理下にある。
その点で日本の植生は強いというか、しぶといというか、放っておけばすぐ、蔦(つた)や葛(かずら)の生い茂るジャングル状態になる。藤蔓や葛(くず)の力は大変なものであって、数年で、それまで生えていた木をがんじがらめにしてしまう。
ゴルフ場も放置すればまたたく間に疎林になる。
日本にも、西洋風のあっさりとした自然が好きな人がたくさんいるし、スイスなどの、チョコレート詰め合わせの箱の蓋に描かれているような風景を見て「まあステキ!」という人は多いだろうが、実を言うとヨーロッパの風景は大抵、何千年にもわたる過放牧と耕作によって搾取し、飼いならされた自然である。
気温と雨と日光に恵まれた日本の自然の力強さこそが日本全体の活力の大本なのである。
ところで先日、ファーブル写真会が開催された。ファーブル館内に展示している生態昆虫写真を撮られている会員の集まりである。
いつもは男性ばかりなのだが、この日はかわいらしいゲスト、カブトムシゆかりさんの参加があって、フォトサロンも華やかになった。
手に持っているのはゆかりさんゆかりということでもないが、「かぶとむし」という銘柄の日本酒である。近藤さんが用意していたらしい。
写真やカメラのこと以外も話題にあがったが、彼女は、飼育している昆虫を標本にせずに庭に埋めるのだそうだ。
めずらしい外国産のカブトムシであったとしても例外なく。
いかにももったいない話なので、今度はぜひ標本作製教室に参加してくださいと指導しておいた。 - 10月26日 ~ 沈黙の秋 ~
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10月12日、安達さんと近藤さんと山下さんと、上野の蓮根専門料理店、つまりレンコンばかりをあれこれ料理して食わせる店で飲んだあと、もう少し飲みたいと思ったが、まあ、明日もあるからと我慢して、
池底の泥の中に蓮根のいっぱい埋もれているはずの不忍池の傍らを歩いて帰った。
もう秋も終わる。台風も来襲した。今は夜の9時頃。
涼しい、というか肌寒いくらいの気候の中、池の畔を歩いていると、何だか物足りない。妙に静かなのだ。
「虫が鳴いてませんねぇ」
と安達さんが言った。
そうなのだ。この夏、代々木公園で蚊に刺された人がデング熱に感染してから、東京の目立つ公園で薬をまいたのだった。
「コオロギが鳴いているはずなんだがなぁ・・・」
そう言えば、サクラの樹上で鳴いているはずのアオマツムシも鳴いていない。これは薬のせいではなく、発生の波があるからだろうが、とにかくこの「サイレント・オータム」は寂しいと思った。
もうすでに冬はそこまで来ているのかもしれない。 - 10月19日 ~ 所信表明 ~
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素晴らしいニュースがあった。
かねてから日本アンリ・ファーブル会として、「三井物産環境基金」に助成申請をしており、その提案は、「昆虫を通して、都市の生態系を復活させ、ナチュラリストを育成する」というものであって、それが見事に採択されたのである。
この1年間、申請書作成のために我々は毎週々々、会議を重ねてきた。その過程で日本アンリ・ファーブル会とはいったい何を目的とする会であるのか、あらためて根本から考え直すことにもなった。
そもそも我々には、どこに出ても恥ずかしくない、正しいことをやっているという自負があった。しかし、それがともすれば独りよがりになり、他の人達から見れば、
「ただの虫好き人間が集まって昆虫採集をしたり、見せびらかしあったり、おしゃべりをしているだけじゃないの、何をエラソーに」
ということになりかねない。
だから、具体的に何をやるか、実効性があり、かつ持続可能性のある活動について細かく提案をした。そうして、約束したことを地道に着々、黙々と実行していくつもりである。
-と、私としては珍しく真面目な文章を書いた。 - 10月4日 ~ 灯火親しむ虫 ~
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先日の丹沢での夜間採集は、夜間採集としては不漁といわねばならないが、小型の甲虫やヤガぐらいの虫はまあまあ来た。
上野池之端の自宅にこんな大きさの虫はめったに来ない。もし来るのだったら、うちのフクロモモンガのツッピーのおやつにこと欠かないであろうに、と思う。
昔の話だが、昭和三十年代、大阪の田舎では、夏の夜、網戸の外に水棲昆虫が、それこそ一升マスで掬うほど飛来したものである。
風呂の焚口の外に防火のために水が張ってあったのだが、そこにいつでも、ハイイロゲンゴロウなどが泳いでいた。炭火の明かりに飛んできてポチャリと水に落ち、そのまま居ついたらしかった。
その灯りにはクチバスズメやクスサンなども来た。なにしろ周囲が暗かったのである。
その頃、田んぼに設置された誘蛾灯には、ウンカばかりではなく、蛾もカブトムシもわんさと来ていた。
農薬以前と農薬以後とに、日本の、そして世界の自然環境を分けることができるにちがいない。 - 9月27日 ~ 過食症? ~
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秋分の日は、サンケイプラザでインセクトフェアが開かれる。私もこの日のためにシコシコとヘソクリをためてきた。
大枚ウン十万円を懐に、勇躍大手町に向かう。
インドネシアの巨大コロギスがあった。何という巨大さ!このオバケコロギス「リオック」はゲームのキャラクターにもなっている。もちろん買う。
ゴライアストリバネアゲハのティタンという亜種の見事な大型ペア。雌の前翅の真っ黒なのと、薄く霜降りになったのと、両方のペアを値切って買う。
昔の値段を考えると、値切ったりしたらバチが当たる。アロッティトリバネアゲハ(72万円)はさすがに手が出なかった。
かわりに台湾産の白いアゲハモドキをいくつかと、その他腹いっぱい買う。自分は買い物依存症か。この満足感は何物にも代えられない。
神田の鮨屋で昼食会。ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん、カブトムシゆかりさん、ムシモアゼル・ギリコさんなど、最近知り合いになった方々と楽しく飲む。
何度見ても今日はゆかりさんの背中にオオミズアオの羽根が付いていなかった。どうやらあの羽根は取り外しができるらしい。
買い物もお寿司も腹いっぱいになったはずなのに、また会場へと出陣した。 - 9月19日 ~ 救助のススメ ~
- 午后、昆虫館の三階に入るとバタバタと音がする。天井近くの窓で何かが暴れている。
スズメだ。換気のために開けていた廊下の窓から入り込んだらしい。
一階に降りて、補虫網を取ってくる。スズメは気配を察してよけいに激しく暴れ始めた。
それにしても網というのは、何と便利な道具であろう。気体と液体と固体をみごとに分離する機能を持つ、人類初期の大発明である。
しかしながらその優秀な道具をもってしても、スズメは窓から窓へ、こっちの善意を無視して飛び交い、なかなか捕まらない。
と、天窓のあたりからくるりくるりと、たとえて言うなら翼果が降下する様子をスローモーションで見ているように、白っぽい大きなチョウが舞い降りてきた。
いつか逃げたオオゴマダラが窓枠の、下から見えないところで息絶えていたのがスズメの羽ばたきの勢いで掃き出されたのだ。
それでもやっとスズメを捕まえて水を飲ませ、逃がしてやった。大きな成鳥のようであった。
煤けていたのでスズメならぬススメである。 - 9月15日 ~ ダヴィッドオオカミキリ ~
- 御茶の水駅から電車に乗ったはずだが降りてみると見知らぬ駅だった。
日暮里からひとつふたつしか離れていないと思うのに駅名の表示がない。
駅を出ると広場があって、意外に緑がある。広場を突っ切ったところに古い大きな旅館があって、何故かそこに通される。
その玄関に団体客がいてそのひとりの女の人が古い本と、カミキリムシの標本を手に持っている。
そのカミキリムシの大きいこと! シロスジカミキリかクワカミキリを巨大化したように見えるが、もっとずっと大きくて、その大きさは尋常ではないのだ。
ウォーレスシロスジカミキリよりももっと大きい。
体は全体に平たくて、肩が張っていて、その肩のところに黒いゴマ斑がある。台湾のダヴィッドオオカミキリ(オオシロスジカミキリ)に似ているけれどもっとずっと大きいのだ。
古本の著者は戦前の昆虫学者だが、私の知らない名前だった。
夢が覚めてからも、つくづくあの巨大カミキリの標本は欲しいと思った。
(出典:学研の図鑑「世界の甲虫」) - 8月23日 ~ 高尾山夜間採集 ~
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夕方、高尾山のケーブルカー駅で待ち合わせて夜間採集。人は多いが虫は少ない。はやっているのはビアホールばかり。
虫のいない、暗い山道の舗装道路を、山頂の方まで歩く。いろいろなグループ、カップル、単独の人。
真っ暗な山道を人がぞろぞろ歩いている。祭りの宵のようでもあるが、時々人通りがとぎれると、とたんに寂しくなる。 考えてみれば、恐い状況でもあって、皆がこんなに安心しきって夜道を歩いていける国は世界中探してもそんなにないはずである。
日本人の若者が外国に行って、あっというまに殺されたりするのは、こういう日本に育っているから、という気もする。
安達さんが、シロスジドクガの♀を採る。立派な目立つ蛾で、♂と♀とでまったく違う。昔は雌雄で別種にされていたそうだ。
それでも、ミヤマクワガタなど、ぽつぽつ採れる。8:45のケーブルで下山し、解散。
それからあとは住んでいるところのグループに分かれて二次会。
8月29日、夕方六時半、池之端のマンションに帰り着いたら、ツクツクボウシとアオマツムシとが同時に鳴いていた。
こんな体験、私ははじめて。 - 8月16日 ~ 千駄木五丁目のルリタテハとジオラマ教室 ~
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昆虫館の前の道で、慌てて飛んでいくルリタテハ発見。しばらくたたずんで見送る。駒込病院の方向に飛び去った。
ルリタテハは一週間ほど前にも、昆虫館より下の不忍通りでも見ている。最近、ホトトギスがよく植えられているから、それが食草になっているらしい。
去年は昆虫館のブッドレアにアカタテハが来たことがあるし、テングチョウも見かけた。
お隣りとの境のブッドレアは、先日の台風で根元からぼっきり折れた。道をふさいで困っていると安達さんが処理してくださった。ありがたきこと也。
今日はファーブル昆虫館でジオラマ製作教室が開かれた。 ジオラマ(ディオラマ)は、十九世紀のフランスで流行った見世物で、のぞき穴から眺める形式。
クリミア戦争の光景などを、実物に模した人形や物に、上手く光線を当て、遠近の感覚を強調した。 見世物として、ジオラマとパノラマが競争したとか。
虫のジオラマは、クワガタなどに針を刺さず、樹皮に止まらせたりして自然の状態を復元するもの。感じを出すにはセンスとコツがいる。 - 8月9日 ~ 7月の一泊採集会のこと ~
- 7月5日から一泊で、裏磐梯の曽原湖という小さな浅い湖の傍のホテルに、ファーブル会有志の集まり。
いい環境だが、湖のまわりはマイマイガの毛虫が大発生。バラ科の旨そうな木の葉のみならず、水辺のアシまで食い尽くす感じ。
それが充分に成長せず歩き回っているのはスミチオンを散布したから、らしい。
ホテルのベランダにも毛虫が這いまわっているから、虫嫌いのふつうの客なら「キャーッ」というところだが、我々はもちろん平気である。
マイマイガの幼虫は、たしか英語で"ジプシーモス"と言ったと思う。
かつて南仏の、軍隊の射撃場で、同じように大発生しているのを海野和男さんと見たことがある。
食害されていたのはセイヨウヒイラギガシで、葉をすっかり食い尽くされていた。
その地面に黒い塊が落ちていて、動物の糞かと思ってよく見ると、キラキラ輝く甲虫の鞘翅がその中にいっぱい混じっていた。
マイマイガの大発生にニジカタビロオサムシが集まってきていて、それを食べたキツネの糞か、フクロウの吐いたペリットらしかった。
- 8月1日 ~ カブトムシゆかりさんとトークショー ~
- トークショーに出演するため、東京スカイツリータウンで開催中の「大昆虫展」へ。
子供の質問に対するゆかりさんの答え方の上手なことに終始感心しきりであったが、
小生もがんばって(叱られるかもしれないと思いながら)、
「そのスカートはもっと短く進化するんですか」などと思い切って恐ろしい質問をしてみると、
「そうですね、ワカメちゃんになるかもしれませんね」とこれまた上手に受け流しながら、
ゆかりさんはくるりと後ろを向いて見せ、「背中はコーカサスオオカブトなんですよ」などとサービスしてくれた。
コーカサスオオカブトだけではなく、シンガポールで手に入れたというオナガミズアオらしき翅もついている。
妖精風でよく似合う。
即興で昆虫クイズを子供たちに出したり、子供たちから昆虫についての質問を受けたり、
コスタリカでハムシの新種を発見した西田氏に会った話などをしていると20分はあっという間に過ぎた。
ゆかりさんのコスタリカ行きの話はNHKテレビの「ダーウィンが来た!」で放送されるそうだ。
楽しみである。
(* カブトムシゆかりさんが出演する「ダーウィンが来た!SP”ミラクル・スピーシーズ いざ出発!新種発見の大冒険へ”」は、
8月6日午後7時半からNHK総合で放送されます ※8月31日に再放送も予定されています) - 7月1日 ~ 雑誌ブルータスのロケ 箱根 ~
- BRUTUS(マガジンハウス)のロケのため、箱根にある養老孟司さんの別荘に行った。
8月号のアウトドア特集に載るそうだ。
箱根の山に入ると直ぐに雨が降り出し、午前中は本降り。皆、腰が重い!
一緒に来てくれたスタッフのアダチさんがスマホで天気のチェック。ポイントの辺りは降っていないという。
スマホでピンポイントでの雨の様子が分かるのか半信半疑だったが、到着時には雨は上がっていた。
見事にヤマボウシの花が咲いているポイントでは、多数の尺蛾が迎えてくれた。
雨粒の落ちる中、しばし虫採りに熱中。ゾウムシやハムシなどを毒ビンに収めた。
やはり虫採りは楽しい(^0^)/☆☆☆
昼食はパレスホテルで。
養老山荘に戻ってザ・クロマニヨンズのボーカル、甲本ヒロトさんと合流した。
昆虫少年だったそうで、沖縄で道路に落ちていたセミの幼虫を指にとまらせ2時間眺めていた話や、ゾウムシに出会えて感動した話などを聞かせてくれた。
今日は、いつもの雑談と虫の話ばかりであったが、アウトドア特集ではどう仕上がるのか楽しみである。
- 6月24日 ~ 「100分de名著」テキストの打ち上げ ~
- NHKテレビテキスト7月号が発刊された。
その打ち上げで、副編集長と編集の方、ライターさんと動坂下にある店に行った。
「動坂食堂」下町感と、品数の多さ、もちろん味も良い。
これだけの本を、この短期間で作りあげてしまうとは驚くばかりである。
- 6月20日 ~ 「千駄木ふれあいの杜」懇親会 ~
- 最近「千駄木ふれあいの杜」を守る会のお手伝いを始めた。まだ1回しか手伝っていないのだが、今日は総会後の懇親会にお邪魔することとなった。
こちらからは地元にいるスタッフ、竹内さんと安達さんとの3人。
こういう活動にはいつもネックとなる問題があるのだが、ここにもあった。・・別に驚きもしないが。 - 6月19日 ~ NHK-ETV「100分de名著」の収録2日目 ~
- NHKの『100分 de 名著』2日目の収録に向かうため、池之端から3人でタクシーに乗り込んだ。
梅雨の晴れ間で雲一つない快晴。窓越しに見える虫を気にしながらの道中、皇居のお堀の廻りには多くのコシアキトンボが飛んでいた。多分未成熟の雄であろう。
4時過ぎまでの収録は無事に終了。武内アナ、伊集院さんにもブログ用の写真を1枚撮らせていただいた。
放送内容に関しては放送後に改めてお話しするので、しばしお待ちを。
後ろのボードには「死は終わりではない、より高貴な生への入り口である」とある。
放送日は7月2日(水)PM11:00〜11:25 ETV(NHK教育テレビ)から4週連続。- 6月16日 ~ 蝶屋にて ~
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蝶屋(てふや)からのお誘いで目白まで。能楽狂言方大蔵流の山本東次郎先生、歌人の馬場あき子先生がお見えになり、しばし虫談義。
昆虫館から墨と筆を持参した甲斐があり、貴重な書を書いていただいた。
- 6月14日 ~ インドネシアのフクロモモンガ ” ツッピー ” ~
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夜、昆虫館から帰って玄関をあけると、まだ9時過ぎなら、双子の少年AとB(7歳)が「おかえりー」と走って来ることがある。
それは大抵、勉強させられている時で、そうでなければ、テレビかゲームの画面を見つめながら、きわめておざなりに「おかえり・・・・」という。
AとB、と仮に名づけたが、別に優劣をつける意味ではない。何ならイ、ロでもよい。
11時を過ぎていると、皆寝静まっているのだが、居間の方でカタコト音がする。フクロモモンガが起きて籠をゆすっているのである。
この、シマリスを小さくしたような小動物は完全な夜行性で、昼はずっと檻に引っかけた布袋の中に入って眠っているが、夜の9時頃になると起きてきて、籠の中を右に左に跳びまわっている。
籠がもっと広かったら体側の膜を使って、日本のモモンガとそっくり同じに飛翔するところだがうちは狭いので、お気の毒。
カタコトゆするのは、私が帰ってきたので喜んでいると思いたい。果物でもクッキーでも何でも食べる。人間の手を小さくしたような手でつかんで食べるところは可愛い。
しかし一番の好物はコオロギであって、紙コップの中のコオロギがカサコソいうと、俄然、目の色を変える。
天使のような顔のまま、そのかわいい手でコオロギをワシヅカミにして、生きたまま頭からかじるところは見応えがある。じっと見ていると「何か?」という表情でこちらを見返す。
食べている時は夢中で、私への感謝の気持ちはあまり感じられない。 - 6月7日 ~ ファーブル会スタッフ会議 ~
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環境整備助成基金に応募するため、ここのところ毎週スタッフが10名ほど集まり会議を開いている。
いよいよ大詰めで皆気合いも入り、今日も半日をそれに費やした。
会議終了後の反省会をしつつ、プログ用に何か書こうとペンをとる。
最近昆虫館に常備している発泡酒は、「クリアアサヒ」と「麦とホップ 黒」である。両者を混ぜてハーフ・アンド・ハーフにする。
ワインはイタリアの定価は2,000円位の白と赤。ちょっと贅沢だが──。
焼酎は「えんま」とか「黒霧島」とかいうのがなぜか本棚に乗っているのが見える。
他方、目の前の机の上に見えるのは、今日、高橋さんが持って、いや同行した”ニシアフリカトカゲモドキ”だ。
さっきからそろそろと這っていたが、積み上げた本の間に落ち着いているところを見るとけっこう可愛い。
もうすぐ脱皮するという。
反省会用に近藤さんが今日持ってきた日本酒は”チカーラ”という。
”Cicala”と書いて、ラベルに蝉の絵が描いてある。
冷やして飲むと酸味がきいて、あっさりとしていて、湿度の高いこの時期にぴったりの酒である。ラベルは捨てたくない。
銘柄の話に戻るが”Cicada”ならラテン語。”Cigale”ならフランス語だ。
これイタリア語なんですか?
(先生、おっしゃるとおりイタリア語です──近藤) - 6月5日 ~ NHK-ETV「100分de名著」の収録 ~
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NHKで「100分de名著」の収録があり、10時にNHKスタジオセンター。安達さんと2人で行ってきた。
司会は伊集院光氏と武内陶子アナウンサー。紹介する名著はもちろん『ファーブル昆虫記』。
武内アナは、昆虫館が建つ前にあった古い日本家屋にインタビューに来られた方で、しかもその時のディレクターも今回と同じ人物だという。
当時は、畳の部屋に重みで畳が沈み込むほど標本箱が積んであり、庭にはクヌギをはじめ、カラスザンショウ大木2本、エノキ、アラカシ、ブナなどが暗くなるほど茂っていて驚かれたそうだ。
それにしても、NHK職員が1万人もいる中で、こういう具合に同じメンバーが重なる確率はいくらぐらいでしょうねえ。という話になった。
放送前なので詳しくは話せないが、ファーブルの生涯について紹介していく。
同時にNHK出版でテキストも造る。驚くべき速さなり。
放送日は7月2日(水)PM11:00〜11:25 ETV(NHK教育テレビ)から4週連続。- 6月3日 ~ 「千駄木ふれあいの杜」土留め作業 ~
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「千駄木の森を考える会」の木村会長・東京芸大名誉教授で農学博士の小川氏・谷根千工房の山崎氏・植木職人の郷田氏と、当会からは私を含む6名で千駄木にある屋敷杜の土留めの作業を行った。
今年の2月に降った大雪で折れた枝の処理が中心であるが、樹齢何百年かのスダジイの倒木や、他の枯れ葉や枝も放置しこの森の中で自然に還すという。
- 6月1日 ~ 日本アンリ・ファーブル会総会 ~
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NPO日本アンリ・ファーブル会通常総会無事終了。ただちに懇親会となる。
最近の虫の学会、同好会でこれほど和気藹々としたのは珍しいそうだ
- 5月27日 ~ J-wave「The HUMAN」インタビュー ~
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六本木ヒルズにあるラジオの放送局に録音に行く。相手をしてくれるのは西尾由佳里さんという方。スタジオでご本人に会ったら、いつもテレビで見ている人だった。
顔は知っていても名前は知らない。こんなことなら色紙でも持って来るんだった、と思ったがもう遅い。放送局のパンフレットにボールペンのサインをもらって昆虫館に飾っておくことにする。
ファーブルの生涯について、『昆虫記』の中身について50分ほど話す。2回に分けて放送するらしい。一応台本はあったが、好きなように喋らせてもらう。
6月1日はアンリ・ファーブル会の総会である。NPOともなれば3年間の収支報告書とか活動報告書とか、そろえておく数が大変だ。
正会員の皆さんから出欠の返事をいただく。こういうハガキでも出すのはめんどうなもので、きちんと送って下さるのはありがたい。
朝日小学生新聞のファーブル先生の昆虫教室も8回目が出た。書きためた分にどんどん追いついてくる。
スタジオは六本木ヒルズ森タワー33F。「アンリ・ファーブル」の生涯にスポットをあてた内容。
パーソナリティーは西尾由佳里さん。
放送予定:6/22(日)20:00~ (J-wave)- 5月26日 ~ 『完訳ファーブル昆虫記』第9巻上(集英社)が発刊 ~
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9巻上には「ニュートンの二項定理」とか、独学で数学を学んだファーブルの想い出話が出てくる。そのときに、数式を使うと読者が困るだろうというので、彼がそれを使わず話を進めている。よけい話が解りにくくなっている。
数学の用語なども、十九世紀と今とでは違っているので、そこを補うのに、数学者の方々のお力を借りなければならなかった。おかげで解りやすくなったように思う。
御助力に感謝したい。 - 5月24日 ~ 緑の回廊で幼虫探し ~
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ぼんやり考えごとをしていたら、根津一丁目の交叉点で車が急に左に曲がった。
「あ、あーっ、ここで曲がっちゃ困る」
と思ったけれど、タクシーではない、バスなのだから、乗った自分が悪いのである。さっきバス停でも別のことを考えていて、急にバスが来たから、少し早いなとは思ったがとび乗ったのであった。
次のバス停で降りると言問い通りの坂の途中である。目の前のラーメン屋で何か食べていくか、と思ったけれど、腹具合が中途ハンパなのでやめておく。しかし旨そうな店である。
これからファーブル昆虫館に行くところなのだが、別に誰も待っているわけではないから、"最近発見した"例の秘密の抜け道というか「緑の回廊」に寄ることにする。 季節もいいから、実生のカラスザンショウやクスノキ、エノキに蝶の幼虫が付いているかもしれない。
カラスザンショウの大木はあるし、その根元近くには実生の幼木が生えている。エノキなぞは、サラダにして食べられそうな、青々として旨そうなのが茂っている。アカボシゴマダラの幼虫ぐらいいるだろうと思ったが発見できない。
しばらく探したがあきらめてもとに戻り、交叉点に降り、今度はちゃんと早稲田行きのバスに乗って昆虫館に行った。
この七月に放送する100分de名著『昆虫記』のテキスト(NHK出版)の校正刷り一冊分に手を入れることにする。 - 5月17日 ~ 秘密の抜け道 ~
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不忍池畔のマンションに住んでもう八年ほどになるのだが、この建物の裏の方に何があるのか知らない。それでちょっと思い立って散歩に出かけた。
小さな神社の脇から崖沿いに細道がある。そこに「本学関係者以外の立入りを禁止する 東京大学」という札が立っていて、簡単な柵のような、門のようなものがある。
私は"本学関係者"ではないけれど、失礼して入らせてもらうことにする。理学部の塚谷裕一教授の『隙間の植物』(中公新書)の写真展をファーブル昆虫館でやっていることもあるし、まんざら無関係というわけでもあるまい。
崖道に沿って歩いて行くと、プレハブの研究室や宿舎が立ち並び、木がよく茂っている。しかしこんなプレハブの建物、夏は暑くて中に居られないだろう。
カラスザンショウの大木があった。そしてその実生の幼木やエノキの苗木が生えている。これなら、アゲハの類にしても、ゴマダラチョウにしても、幼虫の食物は大量にある。
何しろ本学関係者以外立入り禁止だから、人通りがほとんどなく、寂しい、というより"いい感じ"である。塀の外は老朽家屋やお寺の墓地で、たった数十メートル離れただけなのに、しーんとして 不忍通りの裏とはとても思えない。
ふらふら歩いているうちに言問い通りの坂の途中に出た。右は根津一丁目の交叉点。角は赤札堂である。
その赤札堂の向かい側に「セレーネ」という洋菓子店があって、店の傍、隣りの建物との狭いあいだにカラスザンショウがひょろひょろ生えている。初めて見てからもう三、四年になるだろう。こんなところに誰が植えたのか、ひょっとしてお菓子屋さんが虫屋なのか、と思っていたが、このすぐ裏にカラスザンショウが大木、若木をまじえて沢山生えているのだった。
──と思ったら、目の前に薄黄い蝶が飛んで来た。アカボシゴマダラだった。この蝶はその時その時いろんな別の蝶に見える。今日は飛び古したナミアゲハに見えた。 - 5月13日 ~ 朝日小学生新聞への連載 ~
- 4月から朝日小学生新聞の水曜日に連載がはじまった。
「ファーブル先生」としてあれこれ虫について書いているが、本家の「昆虫記」にはでてこないクワガタムシも登場する。やましたさんの虫を擬人化したイラストも素晴らしい。
紙上でファーブル昆虫館やファーブル会のPRも掲載したので、反響も出はじめているようである。
【朝日小学生新聞編集部より】
ファーブル先生(になりきった奥本先生)が子どもたちに虫のあれこれを存分に語る新しい虫連載です。昆虫記に登場する虫はもちろん、あまり登場しない虫についてもスポットをあてていきますよ♪
奥本先生(ファーブル先生)の軽妙で親しげな語り口に、やましたこうへいさんの描くコミカルでゆかいな虫たちの絵が合わさって、昆虫記とはまたひと味違った魅力的な連載に仕上がっています。たくさんの小学生読者にふしぎで楽しい虫の世界を知ってもらうべく、毎週気持ちをこめてお届けします。(朝日学生新聞社 水野)
- 5月10日 ~ ゴッホの手紙 ~
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ゴッホの手紙には余白にスケッチが描いてある。1880年5月25日の日付のある弟テオへの手紙にはオオクジャクヤママユの絵があるのだが、その背中に人の顔が描かれている。
西洋の、昔のカイコの頭部などにも、角の生えた悪魔の顔が描かれたものがあるし、スズメガの蛹にも同じような有髭の老人の顔がある。ゴッホのスケッチもそれと同じである。
ゴッホの別の手紙にはセミの絵がある。寒いオランダで育ったゴッホは、南仏に来て初めてセミという生きものを見たらしい。
しかしそのセミの絵は、いかにも奇怪な、いわば、小さな宇宙人の図のように描かれているのである。
幼少時のエンピツ画などを見てもゴッホという人は、物の形を忠実になぞることの巧みな、いわゆる絵の上手い人であったに違いないが、セミの絵は、はっきり言って下手である。昆虫という不思議な生き物のどこを見ていいか分からなかったのであろう。
その点で日本の彫刻家、例えば高村光太郎などの木彫りのセミとは大違いである。やはり、子どもの頃から見なれていないと、こんな複雑なものは描きにくいようである。 - 5月6日 ~ テレビ収録 ~
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午後からカブトムシゆかりさんの番組を昆虫館で撮るというので私も待機。十秒ほどこの私も出演するのらしい。
標本制作教室も開くことになっている。スタッフ8人で準備。生徒さんの数より多い。 -
- 5月4日 ~ 逃げたインコ ~
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動坂公園の交番横のイチョウに、大きな鳥の影が。
「ずいぶん羽が長いな」と思ってよく見ると、インコだった。全身あざやかな緑色でそれに黄色が混じっている。
ワカケホンセイインコぐらいの大きさだが、首に赤い輪はない。もう一羽が来た。雌雄のようだ。
道路を渡ったところにカラスが一羽。しわがれた高い声で鳴いてカラスのいる電線に飛び移り、二羽でカラスを威嚇した。
あとはどうなったか知らない。そのまま昆虫館に来た。
もう十数年も前の正月。ワカケホンセイインコが千駄木の家の庭に来たことがあった。カラスザンショウの枝に刺したリンゴを二口か三口で、シャクシャクと食べ尽くした。
そのクチバシの威力に感心した。 - 5月3日 ~ アゲハの産卵 ~
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動坂下の薬屋で太田胃散を買って昆虫館にたどり着くと、入り口のユズの新芽にアゲハの春型がさかんに卵を産んでいた。
しばらく見ていると、3、4卵産んだところで風が吹いて空高く飛んでいった。
それを見ただけでしばらく気分がよかった。
午後から某商社の環境整備助成基金に応募するための会議。 - 5月2日 ~ 先生のための虫の研修 ~
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東京都教育委員会の方2名来館。小学校の理科の先生のための虫の研修会を光が丘公園で開く準備。
虫が嫌いで、触れない先生が増えているという。 - 4月12日 ~ ファーブル翻訳者列伝 ~
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淑徳大学・池袋サテライトで「ファーブル翻訳者列伝」という講演会を開催。
- 4月30日 ~ 100分de名著 ~
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13時からファーブル館でNHKの人たちと打ち合わせ。
この夏、「100分de名著」という番組に出て昆虫記のことを話すことになっている。