昆虫標本の意義と目的

※標本教室に参加される方は必ず事前にご一読ください

参加者のみなさまへ

当会で実施している昆虫標本作成教室は次のような趣旨で実施しています。
昆虫標本の意味と標本作成の目的をよくご理解していただいた上でご参加くださいますようお願いします。
小さなお子様には保護者の方からも伝えていただき、昆虫への興味や理解をさらに深めていただければと思います。

■昆虫標本とは

正規の昆虫標本は、昆虫研究の証拠もしくは参考となる実証品として用いられるものです。
そのためには、その昆虫がいつ、どこで採集されたものかを示すラベルをつけておくことが必須の条件となります。
昆虫標本は、世界共通のスタイルで展翅または展足して形を整えたものです。
(その方法を昆虫の種類別に指導しています)

■昆虫標本の目的を果たすためには

○ 整形したものを長期間保管できなければ証拠品とはならない
○ 長期間保管するにはよく乾燥させる必要がある(種類にもよるが通常1か月程度かかる)
○ 完成した後は適切な方法で保管・整理をしていく必要がある

■夏休みの課題と昆虫標本

学校の夏休みの課題として、昆虫標本を提出することが話題になることがあります。
ところが、夏休み中に採集した昆虫を正規の標本にするには、9月初めには間に合わないことになります。(整形~乾燥に1か月かかる)
夏休みの課題として昆虫標本を提出するには、7月末までに採集した昆虫を対象にしなければならない計算になります。

急遽、夏休み中に採集した昆虫を、課題として提出する場合は、例えば、(1)作成途中の標本を説明を付して提出するか、(2)その後の保管を考えないで整形が乱れてもいいものを提出するか、(3)他の研究(昆虫の飼育記録、採集記、採集した昆虫について調べたことをまとめたものなど)を提出するか、などの対応法を検討していただく必要があります。

当会では、継続的に昆虫採集をしようとする人たちに昆虫標本作成技術を覚えていただくことを目的にこの講座を一年を通じて開催しています。
夏休みの課題に活用するためには、なるべく早めに標本づくりを覚えていただいて課題提出に間に合うよう、夏休みより早い時期に受講していただくことをお勧めしています。