2022.6.16
昆虫館に来てみると、建物脇の狭い空き地に植えてあるランタナに、アカタテハが来ていた。
この辺りでアカタテハは珍しい。もう四、五年も前、ブッドレアの花に来ていたのを見ただけである。
そのブッドレアもその後の台風で枯れてしまって、以後、訪花、吸蜜する蝶の数は減ってしまった。
さて、ランタナに止まっているそのアカタテハをよく見ると、右後翅の殆どの部分が欠けているではないか。
鳥にでも啄まれたのか。
ちょうど私は、蝶の翅というものは、どれくらいまで欠けても飛べるのか、考えていたから、その資料に、写真を撮っておこうと思ったが、スマホ片手に近づいたら、さっと逃げられてしまった。
飛び方は敏捷で、飛ぶためには何の支障もない感じである。
ところが二日後にも、その個体がランタナに来たのである。
18日は、ファーブル会の総会の日であったから、よく覚えている。
今度は首尾よく写真が撮れた。飛び方は、少し緩やかな感じがした。翅の欠損の影響があるのかどうか。
そして、6月20日にもそのアカタテハはランタナに来た。これだけ特徴があると、間違えようがない。
観察とも言えない観察は、これだけである。
あえて結論を言えば、あれだけの欠損も、アカタテハの飛翔には、ほとんど影響が見られなかったようであった。